戯言

Nasatoさん宅のお話をちょっと拾ってみました。
んで、ムハンナドさんお借りしました。
ある日のお仕事中の世間話、みたいな感じですかねぇ～
……なんかせっかくの良い話に、水を差すというかオチをつけるというかな感じが……ごめんなさい。

というか、日本語圏内限定な縁起物なので、アラビアンでは意味無いかしらん？

リディアンは縁起物とかおまじないとかは、話のネタにしているだけで、実はあんまり信じてないです。
でも呪術師相手だったら、それとこれとは話が違うような気がします。
なんとなく。

問題あったら下げますんで、どうぞコメ欄やメールフォームより一言お願いいたします。

【縁起物の話】

「へ？　櫛をラナーちゃんに買ってあげた！？」
　これはまた意外な人物から意外な発言を聞いてしまった。
　暇つぶしの世間話のつもりだったが、当人も何でもない事のようにさらりと言ってのけた。
「ああ。買い物に付き合ってもらった礼に」
「…………へぇ～」
「それがどうかしたのか？」
「んーやー……ちょいビックリしただけー。へー、ムハンナドはんとラナーちゃんて付き合うとったんやー！　いつから？　ま、そんなんはえーか。とりあえずおめでとーさーん♪」
　いつの間にそんな事になっていたのかは知らないが、そこは深く詮索しないのがマナーだろう。
　後で、世話焼きなジンの書道家にでも聞けば良い事だ。
「待て！　なぜそうなる！」
「ん？　なぜって？」
「だから、何故櫛を買った事がラナーと俺が……っ」
　焦った様は照れ隠しというよりは、戸惑いの色が濃い。
　その相手の様子に、そこでやっと疑問が沸き起こる。
「……あれ、ひょっとしてちゃうん？　っちゅーか知らんの？」
「なにがだ」
「せやから『クシ』」
　訝しげに睨まれた。
　あ、あかん。この人、本当に知らずにあげたんだ……
「櫛は他人に、特に男から女に無闇に贈ったらあかんモンなんやで。なんや『苦死』ゆーて縁起悪いんやて。　今からでも代わりのモンみつくろーて、交換して来た方がええんとちゃう～？」
　それに贈った相手は、専門は占いとはいえ呪術師だ。
　縁起物には気をつけておいた方がいいだろう。

　男が櫛を贈って良いのは、ただ一人の例外、『苦死』までも一緒にその身に受けると決めた相手だけなのだから。